1.設立の経緯

Open Access for Scholarly Empowerment : OASE /オーエイス

2024216日に統合イノベーション戦略推進会議で決定された「学術論文等の即時オープンアクセスの実現に向けた基本方針」において、誰もが自由に学術論文や根拠データを利活用できるよう、国は「学術プラットフォーマーに対する大学を主体とする集団交渉の体制構築を支援し、交渉の取組を通じて研究コミュニティの経済的負担の適正化を図る。」としています。

学術論文等の即時オープンアクセスの実現に向けた基本方針
(令和 6 2 16 日 統合イノベーション戦略推進会議決定)

(前略)

しかしながら、その流通はグローバルな学術出版社等(以下「学術プラットフォーマー」という。)の市場支配の下に置かれ、購読料や学術論文のオープンアクセス掲載公開料(APC:Article Processing Charge)の高騰が進んでいる。この高騰は学術雑誌の購読や学術論文の出版という学術研究の根幹に係る大学、研究者等の費用負担を増大させ、研究コミュニティの自律性を損なうなどの悪影響をもたらす可能性がある。

基本方針

(2)グローバルな学術出版社等(学術プラットフォーマー)との交渉

誰もが自由に学術論文及び根拠データを利活用できる権利の確保等の観点から、学術プラットフォーマーに対する大学を主体とする集団交渉の体制構築を支援し、交渉の取組を通じて研究コミュニティの経済的負担の適正化を図る。

これを実現するためには強い交渉力が必要であることから、大規模な研究大学の枠組みであるRU11(正式名称:学術研究懇談会)を構成する大学の副学長・理事クラスをメンバーとする内閣府主催の会合において、「学術出版社との交渉(契約条件の協議)開始に向け、大学を主体とする集団交渉の体制構築のため、関係大学の協力を得て、学術出版社と交渉を行うチームを組織すること」が大学側に依頼され、発足したのが、OASEです。OASEは、学術雑誌の問題に詳しい有識者数名により構成されそれぞれの立場で連携して学術出版社と協議を行い、学術論文のオープンアクセスを推進します。なお、学術出版社との協議にあたっては、日本国内で知見と実績を持つ大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)と連携しています。

オープンアクセス推進に関する日本政府の動向

2.OASEの活動状況

OASE1に記した目標のもと、20242月から各出版社と協議を行っています。各出版社との協議の進捗は、基本的には内閣府及び文部科学省を含む関係機関のみで共有しますが、こちらのサイトでもお知らせする場合があります。